同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
「……っていうか、玄太さんて結婚してるんだね。ちょっと意外」
この歳でもまだまだ遊び足りないです!っていう感じの色黒茶髪、そして軽いノリの彼を思い浮かべ、私はぽつりとこぼす。
「……はは、意外、ね。今度玄太に言っておくわ」
にやりと意地悪な笑みを浮かべた彼にさぁっと血の気が引いた。
別に、玄太さんを悪く言おうと思ったわけじゃ……いや、“チャラそうなのに”って思ったのは確かだけど、本人には言わないでよー!
「や、やめて! お願い!」
比留川くんの着ているシャツの二の腕部分をきゅっとつかんで必死に懇願する。
すると、その手をふわりとつかまれて、真面目な顔をした彼に見つめられる。
「……じゃあ、帰ってきて?」
重ねられた手と、比留川くんのまっすぐな視線が熱い。
き、急にそんなシリアスモードになるなんてずるいよ……。
心臓が暴れまくって、喉から飛び出してきそう……。