同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
「私と、ちゃんと、付き合ってほしい。比留川くんと、恋人同士になりたいの」
ダメ押しで決断を迫る言葉を投げかけると、彼はあからさまに深いため息をついた。
好感触とは程遠い反応に嫌な予感しか生まれず、きりきりと胃が締め付けられるような感覚が押し寄せる。
それに耐えながら返事を待つ私の耳に入ってきたのは、予想を上回る冷たい言葉。
「……無理」
頭を思いきり殴られたような衝撃で、一瞬目の前が真っ暗になった。
気まずそうな比留川くんの顔が見えるようになったころには、その視界は涙でゆらゆら揺れていた。
「……泣くなよ」
「な、泣くよ……だって、私、本気、で……っ!」
ああダメだ。これじゃ、未練がましくて田舎くさい、前の私と一緒。
勝手なイメージだけど、都会の女は、振られた時もメソメソしないはずなのにな……。
理想の都会女子像とはかけ離れた自分の言動が情けなくて、余計に落ち込んでくる。
「みちる」
そのとき、ふと真剣な声に呼ばれて、涙でぐしゃぐしゃの顔を上げる。
「何……? って、あれ、今……」