箱入り娘と黒猫王子
私の1冊が終わる頃、紫ノ宮先輩は2冊とも終了…。
本当に、仕事早いなぁー…



「終わったか?」

「はい、あの、ありがとうござい ました!」

「おう」



お腹空いた…。早く教室行ってお弁当食べよ!
急いで荷物をまとめて、立ち上がると



「午後の授業頑張れよ」



ポンっと頭を軽く撫でられた。
ファイルを眺めながら、こちらを見ず、
きっと何の気なしにやってることなんだろうけど、

なんでか、すごく胸が早く弾む。



「は、はい!!し、し失礼します!!」



何故か逃げるように生徒会室からとび出て、教室に向かう。

なんか嫌な予感がした。
心がざわざわして、これから大きな何かが始まりそうなそんな予感だった。

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