箱入り娘と黒猫王子
「あんまり虐めすぎるなよ」

「いじめてるつもりないんだけどなぁ?」

「……」



おいやめろその心底引いてるみたいな顔。

絃晴はお優しいから心配し過ぎなんだよ。
要はアメとムチだろ?

やっと見つけた新しいおもちゃ…じゃない書記なんだから、そう簡単に離れていくような下手な真似しない。

実際、ここから猫の手も借りたいのは確かだし。

溜まってる仕事を片付けて効率よく円滑に行事を取り仕切っていく。これは少しゲーム感覚で面白い。
そのためには俺じゃなくてもいい仕事を誰かにしてもらわなきゃならない。



「さて、明日は朝からこき使ってやろ♪」

「はぁ、初日なんだから優しくしろよ」

「大丈夫大丈夫俺優しいから」

「……」



だからやめろってその顔。
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