君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】
「明日からは、僕の彼女でいいんだよね」
家の前まで来た槙野くんが、私と向き合うとそう尋ねた。
彼女。自覚していなかったけど。
やっぱりそういう事になるんだよね?
「うん。よろしくお願いします」
そう言って二人して微笑んだ。
槙野くんとバイバイして、家に入るとお父さんが慌てて飛び出して来た。
息を切らしている。
「瑠美子!」
「ただいま」
「どこ行ってたんだ!」
「え」
必死なお父さんの形相に私は目を真ん丸にする。
どうしたの?何があったの?
「今までどこ行ってたんだ」
「えっと、公園」
「一人でこんな時間に!!危ないだろう」
「…………」
よくよく見たら、お父さん汗だくだ。
もしかして、私がいない事に気付いて探し回ってくれたの?