君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】
僕にはそう見えるんだ。
翌朝。
学校は休み。だけど、私は部活があるから学校に向かう準備をしている。
槙野くんに昨日のお父さんの事を伝えたら、喜んでくれた。
それから、今日部活だというと終わったらうちにおいでよって返事が来た。
部活が終わったら家に行く約束をした。
順調に部活の練習を終えた私は、とりあえず槙野くんに部活が終わった事だけを告げる。
すると、どうやらこっちに向かっているらしい。
「ねえ、瑠美子」
一緒の部活のメイちゃんだ。彼女は長距離メイン。
短距離メインの私とは練習メニューが違うとはいえ、よく話をする。
「何、メイちゃん」
「やっぱあの噂本当なの?」
「噂?」
何それ。噂って何?
心当たりがなくて首を傾げると、メイちゃんがどこかを指差した。
その方向を見てみると……、視線の先にいたのは槙野くんだ。