君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】
「うん、早い」
「愛されてるねえ」
「へへ」
「あ~うざったい」
「そ、そんな事言うなよ~」
しっしっと手でやるメイちゃんに、私は涙目だ。
それから、開会式の為に選手が学校ごとに並び始める。
その時には結構ギャラリーも増えていた。
無事に開会式が終わると、大会スタート。
私が出る三百メートル走はすぐだった。
最初に予選で次に決勝。
失敗なんて出来ない。
次々とスタートして、順位が決まっていく。
自分の番が来るまで緊張が高まるが、私は大丈夫と心の中で念じた。
自分の力を出し切ったらいいんだ。
一位だけが大切なんじゃない。
自分の力を出し切れたかだ。