君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】


「頑張ってね!応援してる」

「うん!」



それから、昼休憩を挟んで決勝になる。
槙野くんどうするんだろう。一緒に食べれるんなら食べたいなあ。


電話をすると、どうやら槙野くんも電話をしようと思っていたらしい。


『もしもし!今かけようと思ってた!』

「本当に?今どこにいる?お昼食べようかなって思ってさ」

『えっと、今客席の端っこの方に……あ、いた!』


通話が終わると、槙野くんが「藤さーん」って手を振りながら私を呼んだ。
私も手を振り返しながら槙野くんの元へと走っていく。


二人で客席に座ってご飯を食べる事にした。
久々にちゃんと会って話をした気がする。


「なんか、久々だね」

「本当に。藤さん、凄い真っ黒になってる」


毎日外にいたから、夏休みに入る前より黒くなっているだろうな。
槙野くんと会ったのは夏休みに入ってすぐぐらいで、それ以降は一日通しの練習ばかりで会えなかった。

だから、少しだけ髪の毛が伸びた槙野くんにキュンっとしてしまう。
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