君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】

槙野くんとの時間はすぐに終わるみたいで、選手の皆さんは~とアナウンスが入る。
お昼とか、あっという間だな。

槙野くんは頑張れと言って私を応援してくれた。



決勝。さっきよりも大会の緊張感は高まっていた。
ライバルも皆真剣な表情で手足を動かしている。


皆がゆっくりと位置につく。
さっき私が追い抜かされた選手は私の隣だ。


負けない様にしないと。


一度深呼吸をして目を開ける。
それから、槙野くんを見た。


槙野くんも緊張しているのか、真剣な表情で私を見ている。
コクリと頷いてから、私は耳を澄ました。



「位置について、よーい」



パアンっという音と共に、一斉にスタートを切る。
今までの練習の力を、ここで出すんだ。ここで。
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