君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】
「今日、別れる事になるだろうけど……、僕はまた藤さんに好きだって言うから。
僕が藤さんを好きじゃなくなるなんて事ありえない」
「全く理解出来ないんだけど」
メイちゃんが言った言葉に私も同感だ。
「理解されなくてもいいよ。
藤さんが僕を好きじゃなくなっても、僕は藤さんを好きだから。
これだけ覚えておいて。
さ、行こう。藤さん」
「え、あ、うん。荷物持って来る」
「うん。待ってる」
メイちゃんは全く納得していないようだった。
部室に戻る私にいいの?って何度も訪ねてきた。
私だって、わかんない。
でも、きっと彼はもう決断しているのだろう。
それに、なんとなく気付いていた。
彼が別れ話をしようとしているんじゃないって事に。
だとしたら、思い当たるのは一つだけ。
“僕を殺してくれないか”
これだけ。