君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】



「だから、僕は自分から藤さんに声をかけて好きになってもらうんだ」


心を決めた強い視線。
見覚えがある。


“僕を殺してくれないか”


そう言った彼の眼差しによく似ている。


後ろ向きじゃない、前向きな言葉。


“……僕。好きになって貰える自信がない”


そう言った彼はもういない。

< 179 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop