君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】
翌日。
制服に腕を通して、僕は学校へと向かう。
今日って部活あるのかな。
そういえば聞いてなかった。
すぐに到着した通い慣れた学校。
昇降口で靴を履き替えて、教室へと向かう。
登校時間より早く来たからか、校内はまだ静かだ。
自分の教室に到着し、扉を開ける。
すぐに藤さんの席を見たが、まだ登校していなかった。
カバンも何もないところを見ると、部活はないのかもしれない。
それなら僕は待つだけ。
藤さんが来るのを。
暫くして、ざわざわと廊下がうるさくなる。
その中に混じって聞こえる藤さんの声。
里緒ー!と呼ぶ声に、思わず頬が緩んだ。
何も変わらない。
僕と話す様になる前と。