君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】
僕が君を好きなんだ。
「おはよー」
いつも通り、紗奈さんと会話のない朝が過ぎて登校した私は昇降口で誰かに声をかけられた。
振り返るとそこに立っていたのは、クラスメイトの里緒。
二年になってから一緒のクラスになったけど、すぐに意気投合して今では一番仲がいい。
少しだけ茶色い髪の毛。それを二つに結んでいる。
元々肌が黒い里緒だったけど、水泳部に所属しているから夏は特に黒かった。
白い歯を見せながら笑った里緒は隣に立つと、靴を中に入れ上履きを手に取る。
「里緒、おはよ」
「テストだるい~。勉強してる?」
「一応」
「うっそ、偉い。はあ、今回赤点とったら夏休み補習だから頑張らないといけないや」
里緒はわざとらしく大きな溜め息をついた。
それに私も賛同するように頷く。
昨日から部活はテスト期間に入ったからお休み。
期末テストが終わったら、きっとあっという間に夏休みだ。
私と里緒は夏の大会に向けて本格的に練習が増えると思うしね。