君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】
「まあ、でも、暗いよりは明るい方がよくない?」
「そりゃ、そっか。話してても楽しいしね」
私が宥めるように言うと、里緒は槙野くんの方を見ながら納得したように頷いた。
槙野くんは私と里緒だけでなく、他のクラスメイトにも笑顔で挨拶していた。
やっぱり反応は皆一緒。
驚きながらも挨拶をしている。
そんな槙野くんを見て、やっぱり昨日の話は嘘じゃなかったんだと思った。
本気で変わろうとしているんだ。
……私の為に。
それは素直に嬉しかった。
男の子に告白をされたのは初めてだったし。
本気で好きでいてくれているんだって、昨日熱弁していた槙野くんを見てわかったから。