君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】
彼をじっと見ていると、彼も私の方を見てバチっと目が合った。
ニッコリと笑う槙野くんに、今度は私も笑みを返した。
私が笑い返すと槙野くんは目を見開き、照れ臭そうに顔を逸らした。
机の中から教科書を出していて、再度私の方を見ようとはしない。
何、その反応。
あんな顔されたらこっちが反応に困る。
昨日から槙野くんに振り回されっぱなしだ。
でも、全然嫌な気持ちにならないから不思議。
槙野くんって本当に不思議だ。
……学校以外で会うの、楽しみだな。
私は心の中で、ぽつりと呟いた。