君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】
「今日、ずっと様子がおかしかったのも僕が言い寄るのが迷惑だったのかなって。
だけど、お昼一緒に食べてくれるし、よくわかんなかったんだ。
ごめん、聞くつもりなかったんだけど……さっきの言葉聞こえちゃってさ」
「さっきの?」
「うん。ちょうどよかったのにってところ」
「あ」
“邪魔って、里緒がいたからちょうどよかったのに!!”
それを聞いて、槙野くんの中で疑問が確信に変わってしまったのかもしれない。
「藤さんが迷惑ならすぐに言って。僕、藤さんの迷惑になる様な事はしたくない」
「ち、違う!!」
とんでもない勘違いをしている彼に私は慌てて否定の言葉を伝える。
わかった。
彼が言いにくそうにしている時は、大体ネガティヴな事なんだ。
ちゃんと否定するから。
「違うんだ、迷惑なんて絶対にない!私が槙野くんを迷惑に思う事なんてないから!」
「……でも」
どうしたら伝わるんだろう。
どうしたら彼を迷惑に思っていないって伝わる?
彼はどうやって私に伝えてくれていた?
好きだって気持ち。
いつも、槙野くんはストレートに伝えてくれた。
好きだって。キラキラしているって。
今度は私の番なんだ。