君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】
僕が殺してあげようか。
「えっと、えっと……、驚かないで聞いてね」
たどたどしく私がそう言うと、槙野くんは一度コクリと頷いた。
槙野くんの顔も強張っている。
何を言われるのかわかっていないからだ。
「わ、私ね。槙野くんと一緒にいると、えっとね、胸がドキドキするんだ。
告白されてからなんだけどさ。でも、私槙野くんの事あまり知らないじゃん。
それなのにこの気持ちを言っていいのかわからなくて……」
そこまで一気に言うと私はすうっと息を吸い込む。
それから恐る恐る槙野くんの顔を見た。
槙野くんはぽかんとした顔で私を見つめていた。
うん。その反応は予想外だ。
聞いていたよね?もう一度言ってって言われても無理だよ?
胸がドキドキして張り裂けそうなのに。
気持ちを伝える事がこんなにも大変だなんて思わなかった。