にゃおん、とお出迎え


「みゃ」
スカイさんのご主人は、病気だったの?

「にゃご」
そうみたいですね。僕はよくわかりません。ただ、よく寝ていました。起きて、僕がいないとひどく寂しがるんです。
だから僕は、もう離れずにずっといるって誓ったんです。なのに

「……にゃ」
なのに、いなくなってしまうなんて。

続けられたスカイさんの言葉は、とても寂しそう。

なんとなくよ。
なんとなくだけど、ご主人様はもういないんじゃないかしら。

外にもでれないほどの病気の人がいなくなるってことがどういうことか、あたしには一つしか思いつかない。


「みゃー」
スカイさん、ずっと探すの?
見つからなかったらどうするの?


「にゃごにゃご」
見つからない……ってことは考えてませんでした。
だってあんなに一緒にいたのですから。
ご主人だって僕を探しているはずです。


「みゃーお」
でも事情があって会えなくなることはあるんだよ?
あたしだって……

そこまで言って、喉が詰まる。
ママにはもう会えない。
ミネちゃんがいるから、あたしは生きていけるけど。それでももうママには会えない。

「にゃごにゃご」
でも、ご主人がいなくなったら僕はどこにいけばいいのかわかりません。
他に一緒にいたい人は彼女だけですが、彼女とはあれ以来会えなくなってしまったのです。


ママは、身を引いたのかな。パパがちゃんと飼われた猫だったから。
だから、パパのところに会いに行くのは辞めたのかな。

「みゃ……」

あなたはあたしのパパなの? って聞いてみようとして、辞めた。
だって、もしかして知らないんじゃない?
ママが、子供を産んでたってこと。
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