にゃおん、とお出迎え

 ミネちゃんの生活は、結構規則的。

朝、時間になると勝手にテレビがつく。
そこから、「うー」とか「あー」とか言いながらゴロゴロしているから、あたしはいつもミネちゃんの胸のあたりに乗る。

そうすると、「苦しいよー」ってわめきだして、ようやく起き上がってくれる。

「みゃーおん」
ねぇ、ミネちゃん。チコクするよ?

「わかってるもん。あーこんな時間! 顔洗ってー。朝パンでいいや」


起き上がってからいつも慌ててる。
最初にテレビが付いた時に起きれば、こんなに慌てることないと思うんだけどね。


「はい、モカちゃん、ご飯」


でも、どんなに慌てていても、あたしのご飯は忘れない。


「いい? お利口にして待っててね。勝手に抜け出しちゃだめだよ」

「みゃーおん」
ミネちゃん。あたしが抜け出さないわけないじゃない。
勝手に約束したつもりになるのってどうかと思うわ。

「じゃあ行ってくるね!」

「みゃー」
はいはい、いってらっしゃい。


ガチャンと鍵がかかる音がする。カンカンカーンって階段を下りる音も。
ミネちゃん、転ばないといいけどな。

さて、あたしはどうしよう。

まずはご飯をいっぱい食べて、それからお昼寝。
後で散歩にでも出ようかな。

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