にゃおん、とお出迎え

それにしても、さっきまでは気づかなかったけど、なんかキラキラした小物がいっぱいあるなぁ。
ヒトデみたいな色のお星様とか、まんまるのピカピカとか。
その中に、銀色のフサフサ毛虫がいた。うわあ、おっきい。

「にゃ」

右足でつつくとカサカサと小さく鳴る。
なにこれ、おもしろーい。

「にゃーお、にゃーお」

楽しくなって何度も触っていると、カタセくんがそれに気づいて笑った。

「さすが猫。こういうのは好きなんだな? ほら、モカ、見てろ」

カタセくんが毛虫を操る。ながーい毛虫は、くるくるって回るから、あたしの狩猟本能はもうビンビン。

「にゃーお、にゃーお」
カタセくん、それちょうだい。
ああもう、早く渡しなさいよう。

ようやく爪に引っかかって。
あたしはそれをグイグイ引っ張ってカタセくんから奪った。

わあい、キラキラの毛虫だ。
つついちゃえ。

あれ、でも全然動かない。さっきまで、クルクルいい感じに動いていたのに。

「みゃー」
ねぇ。カタセくん。この子、死んじゃったよ。

カタセくんに近づいて、膝にじゃれつくと、カタセくんはニヤリと笑った。

「なんだよ。奪っていったくせにやっぱり遊んでほしいんじゃん」

「みゃー」

違う。遊んで欲しいんじゃないもん。
クルクルが動かないから直してって言ってるだけだもん。

カタセくんはまたクルクルを持った。そうしたらくるんくるんと動き始める。

わあい、生き返った!
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