にゃおん、とお出迎え

その後、二人はしばらくベタベタとひっついていたから。
あたしは呆れてテレビを見てた。

しばらくすると、カタセくんのほうが再びツリーを作り出したので、あたしは近くに寄っていった。

「みゃ?」
クルクル、遊ぶ?

「しー。今美音寝てるから。静かにして」

「みゃおん」
じゃあ、遊ぶのはダメね?
つまんないの。

仕方なくカタセくんがツリーを作るのを見ていた。

大きなツリーに、グルグルに巻かれたクルクル。
それからさっき咥えて走った玉と同じものがいくつもくっついていた。
サンタもいるし、雪だるまもいる。飾りはいっぱいだ。

その中の一つに、綺麗な赤い石がついた指輪があった。

「みゃー」
これなあに?

「内緒だぞ。美音が気づくまで」

どうやら、カタセくんはプレゼントを隠しているつもりらしい。

男ってロマンチストなのね。
ハッキリ言わなきゃ、ミネちゃんは片付ける時まで気づかないと思うんだけど。

まあでも、勝手に苦労してればいいと思う。

だってあたしはカタセくんは嫌いなんだから。
知ったこっちゃないわ?


【Fin.】
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