にゃおん、とお出迎え


結局、カタセくんは翌日、ミネちゃんと一緒にプレゼントを買いにでかけ、指輪のことは教えなかったみたい。

「欲しかったモヘアのセーター買ってもらっちゃった-」なんて呑気に言ってるのを聞いて、あたしはなんだか複雑な気持ちになっちゃった。

そんな訳で、二人の間は今までと変わりない。
むしろ、落ち込み気味のカタセくんが来なくて静かになったくらい。

カタセくんは、どうしてミネちゃんがそんなに好きなのかな。

みたところ、ミネちゃんってカタセくんにそんなに優しくもないと思うんだけど。



気になることは調べるべし。
あたしは知ってる。ニンゲンは写真ってやつを撮るのよ。
あたしもよくミネちゃんに「こっち向いて~」って言われて撮られているもん。
モシモシもできるのに写真も撮れるんだよ。スマホっていうやつ。

カタセくんがミネちゃんを好きになる証拠みたいなものが、そこに写ってないかなって思うんだよね。

ミネちゃんがお風呂に入っている隙を見計らって、あたしはテーブルの上に飛び乗った。
ピンクのそれの画面は今黒い。何度触っても、なかなか反応してくれない。

えっと、どうするんだっけ。

肉球で撫でたら、画面が光った。
うわあ、なにこれ。でもなんかこの画面から動かない。触ると点がいっぱい出てきて、触ると線が引けるみたい。
なんかおもしろーい。
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