にゃおん、とお出迎え
『だからさ。聞いてんの美音』

返事がないんだから聞いてるわけないじゃないのよ。
どうしよ。カタセくん、誤解し続けているわよ?

『だから、……つまり、俺はけっ……けっこ……んも考えているわけ! 次会った時、返事を聞かせてくれ』

けっこ?
けっこってなんだろう。

『プツッ、ツーツーツー』

「みゃーおん」

あ、切れた。

あれれ?
結局カタセくん、電話の相手があたしだってこと気づいてなかったかも?

「あーサッパリしたー」

そこに、ごきげんな様子で戻ってくるミネちゃん。

「にゃーおん」
ミネちゃん、非常事態発生だよ。

「どうしたの。あ、勝手にスマホ触っちゃダメよー」

「みゃー」

ごめんね。
カタセくん、けっこの返事が知りたいんだって。

あたしもよくわからないんだけど、ミネちゃん、なんとかしてくれるかしら。
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