にゃおん、とお出迎え

『違うんだ。……その、』

「みゃーおん」
顔見てお話しなよ。
ああもう、面倒くさいなぁ。

「あ、モカちゃん」

するりとミネちゃんの腕を抜けだして、頭で窓を押し開ける。
鍵しまってなくてよかったぁ。

外からはすっごい冷たい風。うわあ嫌だぁ。

「こら、入っておいで」

「みゃー」
でも、こうでもしないと動かないじゃん。ミネちゃんたち。

『美音? どうした?』

「モカちゃんが。ダメだよ、外は」

あたしがベランダからぴょーんと飛び出すと、ミネちゃんが悲鳴みたいな声を出す。

「ダメだってば。モカちゃん!」

そこから先の会話はあたしにはもう聞こえなかったけど想像はできる。

ミネちゃんはあたしを心配して半泣きになって、カタセくんはそんなミネちゃんを放って置けるはずがないから助けにくるはず。

だって、ミネちゃんが大好きなんだもん。
そうでしょ?
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