にゃおん、とお出迎え
*
それからどれくらい経ったかしら。
あたしはガチガチ体を震わせながら、いつもの公園の近くの家に止まっていた車の下にいた。
「おーい、モカ」
「モカちゃーん」
あたしを探す声がして、ああ良かったぁとホッとする。
絶対来るはずって思っていたけど、このままじゃ凍え死ぬところだったよう。
「みゃーおん」
ここだよー。
お返事すると、ミネちゃんの声が近づいてきた。
「あっ、モカちゃんの声だ。良かった。いたよ、片瀬くん」
「全く世話かけさせるなよ、モカ」
並んでやってきた二人の前に姿を見せたら、呆れたように言われた。
いやいや、それってあたしのセリフだからね。
「モカちゃんおいで~」
手を伸ばされたから飛び乗る。
温かいミネちゃんの腕の中に収まってホッと一息。
やっぱり温かいところがいいよう。
二人も仲直りしたのかな。
カタセくんとミネちゃんと、腕の中のあたし。
一緒に歩く帰り道、吐く息は白く消えていくおもちゃみたい。