にゃおん、とお出迎え



それからどれくらい経ったかしら。
あたしはガチガチ体を震わせながら、いつもの公園の近くの家に止まっていた車の下にいた。

「おーい、モカ」

「モカちゃーん」

あたしを探す声がして、ああ良かったぁとホッとする。
絶対来るはずって思っていたけど、このままじゃ凍え死ぬところだったよう。

「みゃーおん」
ここだよー。

お返事すると、ミネちゃんの声が近づいてきた。

「あっ、モカちゃんの声だ。良かった。いたよ、片瀬くん」

「全く世話かけさせるなよ、モカ」

並んでやってきた二人の前に姿を見せたら、呆れたように言われた。
いやいや、それってあたしのセリフだからね。

「モカちゃんおいで~」

手を伸ばされたから飛び乗る。
温かいミネちゃんの腕の中に収まってホッと一息。
やっぱり温かいところがいいよう。

二人も仲直りしたのかな。
カタセくんとミネちゃんと、腕の中のあたし。
一緒に歩く帰り道、吐く息は白く消えていくおもちゃみたい。
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