にゃおん、とお出迎え
動きの遅いミネちゃんの後ろから、小走りにやってくるのは女の子。
笑顔が可愛くって、走ってると言うよりは飛び跳ねてるって感じかしら。
うっかりしてると踏まれそう、なんて思っちゃう。
「美佐!」
「清ちゃん」
あたしの後ろからセイシロウくんがその子に声をかける。
その、セイシロウくんの嬉しそうな顔。
ああ、セイシロウくんがきょろきょろして探してたの、この子なんだ。
ミサって呼ばれた子はは息を切らしながら、セイシロウくんの腕をあっさり触ったからあたしはびっくり。
ああー。大変!
あなたニンシンになっちゃうよう!
「みゃーみゃーみゃー!」
折角そう教えてあげてるのに、ミサちゃんって子はキョトンとした顔であたしを見ると、「うわー可愛い。黒猫だ」って言って近付いてきた。
目の前に手を伸ばして、「触っていいかにゃー」なんて言う。
何その言い方。
あたし、子供じゃないわよう。
目を輝かせてあたしをみるミサちゃん。さっきの小学生の女の子たちと一緒だ。
さ、触らせてあげてもいいんだけど、ニンシンってのはうつったりしないのかしら。
あなたさっき、セイシロウくんに触ってたじゃないの。