にゃおん、とお出迎え
「も、モカちゃん見つけた」
息を切らしながら、ようやく追いついてきたのはミネちゃんだ。
あたしを抱き上げて、頭にデコピンする。
「みゃん」
ううー。痛いよう、なにするのよう。
「勝手に出て行っちゃだめでしょうー?」
だってミネちゃんが遊んでくれないからいけないんだよう。
みゃーみゃー言い返してると、ミサちゃんって子が近寄ってきた。
「あの、ネコちゃんの飼い主さんですか? 可愛いですね。ちょっと撫でさせてもらってもいいですか?」
「え? あ、どうぞ?」
あたしは抱きしめられたまま、彼女の方に向けられた。
そのままひんやり冷たい掌があたしの頭を撫でる。
いやん。冷たいよう。そんなオドオド撫でられるとくすぐったいから、ちゃんと撫でてよ。
そう思ってたら、なんとセイシロウくんまで近寄ってきた。
「俺も撫でたい」
「どうぞ?」
イケメンのセイシロウくんに、ミネちゃんは頬を染めてにっこり。
ミネちゃん!
気持ちは分かるけどダメ!
セイシロウくんに触られるとニンシンになるのようー!
「よしよし、ちっちぇ頭。可愛いな」
「うみゃーお!」
助けてー!
あたし、ニンシンになっちゃう。