にゃおん、とお出迎え

「も、モカちゃん見つけた」


息を切らしながら、ようやく追いついてきたのはミネちゃんだ。
あたしを抱き上げて、頭にデコピンする。


「みゃん」

ううー。痛いよう、なにするのよう。


「勝手に出て行っちゃだめでしょうー?」


だってミネちゃんが遊んでくれないからいけないんだよう。

みゃーみゃー言い返してると、ミサちゃんって子が近寄ってきた。


「あの、ネコちゃんの飼い主さんですか? 可愛いですね。ちょっと撫でさせてもらってもいいですか?」

「え? あ、どうぞ?」


あたしは抱きしめられたまま、彼女の方に向けられた。
そのままひんやり冷たい掌があたしの頭を撫でる。

いやん。冷たいよう。そんなオドオド撫でられるとくすぐったいから、ちゃんと撫でてよ。

そう思ってたら、なんとセイシロウくんまで近寄ってきた。


「俺も撫でたい」

「どうぞ?」


イケメンのセイシロウくんに、ミネちゃんは頬を染めてにっこり。

ミネちゃん!
気持ちは分かるけどダメ!

セイシロウくんに触られるとニンシンになるのようー!


「よしよし、ちっちぇ頭。可愛いな」

「うみゃーお!」


助けてー!
あたし、ニンシンになっちゃう。
< 30 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop