にゃおん、とお出迎え
まずはこぉひぃさんの喫茶店に行った。
木の影なら涼しいかなって思って。
でもぜーんぜん。レンガは熱を含んで熱くなっちゃってるし、白い四角い機械からはあったかい空気が出てる。
中は涼しいんだろうな。出てくる人が、「外はあっちぃなぁ」とか顔をしかめているもの。
あたしは中に入れてもらえないから、ここにいても涼しくはならなさそう。
仕方なく、今度は公園に向かった。
できるだけ日陰を通ろう。
そうすれば、風もほんの少し涼しい気がするもの。
「あ、モカちゃんだ」
小学生の女の子たちだ。お揃いなのかな、背中にカバンを背負っている。
下校時間かぁ。この子たちに捕まると、撫でまわされるから嫌なんだよね。
あたしは塀の上にぴょんととび乗った。
「モカちゃーん、おりておいでよー」
そう言われてもね。この暑いのに触られたら気持ち悪いもん。
「にゃーおん」
ごめんね。
暑いから今日は嫌だよう。
塀に向かって手を伸ばしてる女の子たちに一声かけて、あたしは、公園まで走る。
すぐ汗が出てきちゃう。
暑い、暑いよう。
もうもう、ついたら絶対、木の陰でお昼寝するんだから!