にゃおん、とお出迎え
「実家の親。栃木なんだけどね。ケージに入れれば手荷物扱いでいけるって言われてもなぁ。まだ指定席空いてるかな」
ミネちゃんがパソコンをいじりだした。
ねえー、そんな事よりおひざに乗せてよう。
せっかくあったまったのに、寒くなってきたよう。
「やっぱ、一杯だぁ。……うっかりしてたなぁ。いつもだったら一人だから自由席でもいいやって思ってたんだけど。あんなギュウギュウなのにモカちゃん連れていけないし」
「みゃーお」
ミネちゃんってば。おひざに乗せてよ。
「ああんもう! どうしようー!」
何だか悩み始めちゃったミネちゃんは、再び立ち上がると部屋の中をグルグルグル……。
もうつまんない。電話のせいだよう。
尻尾でパシンと八つ当たり。
でも全然効き目ないみたいで悔しいったら。
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そんなミネちゃんが、笑顔で帰ってきたのはそれから数日後。
「会社の人が車で帰省するから乗せてくれるって」
ご機嫌で鼻歌まで歌ってる。そしてまたにっくき電話で長話。
お話ししててもいいから、おひざに乗せて。このお部屋寒いんだようー!
「にゃおん! にゃおん!」
必死に訴えてるのに、ミネちゃん全然気づいてくれない。
うもう、ミネちゃんのバカ!