にゃおん、とお出迎え
**
長らく車に乗ってようやく付いたのは、結構な田舎町だ。
窓の外の景色も、最初は高い建物ばかりだったのに、いまは、おうちがポツリポツリと並んでいるだけ。とっても空気が澄んでて、遠くまで良く見える。
カタセくんが停めてくれた道をまっすぐ行った先にはおうちが何軒かある。
にゃおん。ココは一体どこなんだろう。
ミネちゃんはボストンバックとあたしのおうち代わりのかごをもって、ぺこりと大きく頭を下げる。
「ありがとう片瀬くん。良かったらお茶でも飲んでく?」
「え? いや、でも悪いなぁ」
「遠慮しないよ。ここまで乗せてきてもらったんだし」
「イヤでも。……じゃあ」
「にゃーおん」
二人の会話を遮るように、あたしは一鳴きして駆け出す。
だって。とってもいい気分。
ちょっと寒すぎだけど、でもお空が広い。広いよーう。
「あ、モカちゃん待って!」
駆け出したあたしを、追いかけようとするミネちゃん。
「山下さん!」
「あ、片瀬くん、ごめん。モカちゃん追っかけなきゃ。じゃあね」
さっき、お茶でもって言ったのはもう忘れているのね。
いい気味。とっとと帰ればいいわ、カタセくん。
……と思ったのに、カタセくんは意外としぶとい。
長らく車に乗ってようやく付いたのは、結構な田舎町だ。
窓の外の景色も、最初は高い建物ばかりだったのに、いまは、おうちがポツリポツリと並んでいるだけ。とっても空気が澄んでて、遠くまで良く見える。
カタセくんが停めてくれた道をまっすぐ行った先にはおうちが何軒かある。
にゃおん。ココは一体どこなんだろう。
ミネちゃんはボストンバックとあたしのおうち代わりのかごをもって、ぺこりと大きく頭を下げる。
「ありがとう片瀬くん。良かったらお茶でも飲んでく?」
「え? いや、でも悪いなぁ」
「遠慮しないよ。ここまで乗せてきてもらったんだし」
「イヤでも。……じゃあ」
「にゃーおん」
二人の会話を遮るように、あたしは一鳴きして駆け出す。
だって。とってもいい気分。
ちょっと寒すぎだけど、でもお空が広い。広いよーう。
「あ、モカちゃん待って!」
駆け出したあたしを、追いかけようとするミネちゃん。
「山下さん!」
「あ、片瀬くん、ごめん。モカちゃん追っかけなきゃ。じゃあね」
さっき、お茶でもって言ったのはもう忘れているのね。
いい気味。とっとと帰ればいいわ、カタセくん。
……と思ったのに、カタセくんは意外としぶとい。