にゃおん、とお出迎え
*
再びカゴの中に入れられたあたしからは、外の景色は隙間からちょっとしか見えないんだけど、ミネちゃんが立ち止まったのは、大きな建物の前のようだ。
勢いよく扉を横に動かし、「ただいまー」と声を出す。
あたしも、ただいまって言えばいいのね?
「みゃー」
一声鳴いて返事を待つと、バタバタと重ための足音がやってくる。
「美音! お帰り。やっと帰って来たね。そんなに遠くないんだからたまには帰ってこればいいのに、お盆と年末しか帰ってこないってどういうことだい」
「お母さん、玄関先でそんなにがみがみ言わないでよ。ねー寒いよ。入れて。おとうさーん、ただいまー」
「こら、アンタ人の話聞きなさい!」
なんか。面白いなぁ、会話。
おうちに居る時のミネちゃんとちょっと違う。
何でもポンポンいうの、なんか珍しい気がする。
「この子がモカちゃん」
ミネちゃんは、お部屋に入るとあたしを出してくれた。
あたしの目には、出てきたのは、丸顔でふっくらとした、目のあたりがミネちゃんに似てるおばさんと、なんか布のついた不思議な机に入ってる、頭の涼やかなおじさんが見える。
「へぇ、可愛いじゃない。でも黒猫?」
「不吉だな」
酷い。そんなことないよう!
再びカゴの中に入れられたあたしからは、外の景色は隙間からちょっとしか見えないんだけど、ミネちゃんが立ち止まったのは、大きな建物の前のようだ。
勢いよく扉を横に動かし、「ただいまー」と声を出す。
あたしも、ただいまって言えばいいのね?
「みゃー」
一声鳴いて返事を待つと、バタバタと重ための足音がやってくる。
「美音! お帰り。やっと帰って来たね。そんなに遠くないんだからたまには帰ってこればいいのに、お盆と年末しか帰ってこないってどういうことだい」
「お母さん、玄関先でそんなにがみがみ言わないでよ。ねー寒いよ。入れて。おとうさーん、ただいまー」
「こら、アンタ人の話聞きなさい!」
なんか。面白いなぁ、会話。
おうちに居る時のミネちゃんとちょっと違う。
何でもポンポンいうの、なんか珍しい気がする。
「この子がモカちゃん」
ミネちゃんは、お部屋に入るとあたしを出してくれた。
あたしの目には、出てきたのは、丸顔でふっくらとした、目のあたりがミネちゃんに似てるおばさんと、なんか布のついた不思議な机に入ってる、頭の涼やかなおじさんが見える。
「へぇ、可愛いじゃない。でも黒猫?」
「不吉だな」
酷い。そんなことないよう!