にゃおん、とお出迎え

 そうして、年が明けて帰る日がやってきた。

皆が見送ってくれて、しんみり気分。
でもまたミネちゃんを一人占めできるぞうって、ちょっと嬉しくもあったりして。

「ぶみゃん」

来年も、ミネちゃんのヒザをかけて勝負だよ。

「みゃーおん」

今度は負けないもん!


カズコさんとおとうさんとおかあさんにお別れして。

来た道を戻るあたしたち。



「山下さーん。ココだよー!」


その行く手には、カタセくん。


「みゃー!」

あなた、まだいたのね?
もう、せっかくミネちゃんと二人だって思ったのに、いい気分だったのに、台無し!
何なの何なの、何なのよー!!

嫌がるあたしとは裏腹に、ミネちゃんは、何だかマジマジとカタセくんを見てる。


「片瀬くん。……ありがと」


なんとなく女の子らしくなってるのは気のせい?
行きとは空気が違う気がするのは何故なの?


「さあ乗って」


カタセくんは嬉しそうにミネちゃんの手を掴もうとするから、あたしはフーッって思いっきり唸ってやった。

だめよ、カタセくん。
ミネちゃんは、そんな簡単には渡さないんだからね!



【Fin.】
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