にゃおん、とお出迎え
あらら。
ミネちゃんとカタセくんだ。
あたしのこと、迎えに来てくれたのかな。
「みゃーおん」
大きく鳴いてみたら、ミネちゃんの声が近づいてくる。
「こっちよ。絶対こっち」
「みゃーおん!」
「お、お前の飼い主か」
おじさんはそういうと、にこりと笑った。
「みゃー」
「良かったな。迎えか」
「みゃおん」
そうだよう。おじさんバイバイ。
ウワキについては結局何にも分からなかったけど、迎えに来てくれたからもういいや。
だってだって、嬉しいもん!
「にゃおん!」
ぴょんと飛び出すと、半泣きのミネちゃんがあたしを抱きしめる。
「よかったー、モカちゃん、ごめんねぇ。寒くなかったー?」
「見つかって良かったな、美音」
カタセくんが馴れ馴れしくミネちゃんの肩を抱いたけど、ミネちゃんはにらんでつねっていた。
「誰のせいよ! もう、何があってもモカちゃんを追い出したりしないで!」
あたしの為に、ミネちゃんが怒ってくれる。
カタセくんが頭を下げて落ち込んでて、ああなーんていい気分。
やっぱりあたし、ミネちゃんが大好き。
だから、ウワキして困らせるのは、やめとくね?
【fin.】