ただあの子になりたくて
この間通ったとおりの道順で、潔癖なまでに真っ白な廊下を3人で行く。
もう病室の名前は確認しなくても容易にわかった。
引き戸は開け放され、看護師さんが慌てて出入りしている。
真っ先に駆けだす蒼介について、私と拓斗も走った。
そうして私たちはぴたりと立ち止まる。
この間とはまるで様子が違う。
圧倒される。
横たわる包帯を巻かれた私の周りに、ドラマでしか見たことがないような機械。
看護師さんによって急いで取り換えられる大きな点滴の袋。
ただ事ではない。