ただあの子になりたくて
人間は死んだら、こんなふうになるのだろうか。
「戸惑っているようだね、私は死んだんじゃないのって」
どこからか、明るく弾んだ声がした。
少年のような少女のような、どっちつかずの幼い声音。
すると同時にひとつの姿がぬっと現れた。
衝撃が走る。
幻を見ているのだろうか。
「えっ……? なんで私?」
何の感覚もないのに、白い空間に私のひっくり返った声が飛び出した。
白いブラウスに、うちの高校の胸の赤いリボン。