山下くんがテキトーすぎて。
山下くん
「あ、あの山下くん。
どうしてまだ帰らないの…?」
放課後の誰もいなくなった教室で、
私は首を傾げ、問いかけた。
私がどうして金曜日の放課後に
教室に残っているかと言うと、
英語で居残りを命じられたから。
「俺も居残り。
今日の英語、全部寝てたから、それで」
「ああ、たしかに寝てたね…っていうか、英語に限らず毎日寝てるよね!?」
「あー、バレてた?」
いや、バレてた? じゃないよ。
「隣の席なんだから、
いやでも気付くってば!」
「ははっ」
もう教室は薄暗いし、静かだし……
こんな状態で居残りなんて全然やる気でないけど、
一人じゃないだけありがたい。
山下くんも居残りなんて心強いし、
よかった……
「あのさ、遠山ってばかだよね」
「………」
真顔で真っ直ぐ見つめてくるから、いったい何を言い出すのかと思えば……
うん、忘れてた。
目が覚めてる時の山下くんは
すっごい意地悪だってこと。
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