山下くんがテキトーすぎて。




私の返事も待たずに、ガチャっと音を立ててお母さんが入ってきた。



なんか、いつもにましてニコニコして上機嫌な様子で私を見つめてきたかと思うと。




「もう!彼氏できたんなら早く言いなさいよ〜!!」




うるさい声が部屋に響いて、
熱でぼうっとした頭にガンガン響く。




………はい? 今なんて?


私はベッドから上半身を起こした。




「それもあんなカッコいい子!
愛音も意外とやるわね〜!!」



待って待って。

彼氏?かっこいい子?




「お母さん、私彼氏いないけど…」



「えっ!? じゃあさっきのは!?」



「さっきの……?」



「お姫さま抱っこであんたをウチまで運んでくれたのよ…!お母さん、うっかりしてて名前聞きそびれちゃったんだけど……」




「……っええ!?」




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