山下くんがテキトーすぎて。
お姫さま抱っこ!?
そうだ…私、
たしか途中で意識が朦朧としてきて……
そのまま、倒れちゃったんだっけ‥…
倒れた瞬間、抱きとめてくれた感触と、山下くんの匂いと、温かい体温をかすかに覚えてる……。
ぐわぁぁぁっと一気に体温が上昇する。
や、山下くんが運んでくれたの!?
お姫さま抱っこで…
お姫さま抱っこ!?!?
あぁーっ、やばいよ私。
熱のせいで混乱してやばいよ。
ほんとに山下くんが?
山下くんしか……いないよね。
一緒に帰ってたんだもん。
山下くん細身なのに、
けっこう、力あるんだ……
私、絶対重いのに……。
ダメだ……ドキドキする。
色白で、細身で、綺麗な顔してて、無気力でテキトーで……
だけど、
ちゃんと、"男の人"なんだ。
ずるいよ。山下くんのばかぁ…。
これ以上は
好きになりたくないのに…っ。