山下くんがテキトーすぎて。
ふっと湧き上がってきた「さみしいな」って気持ちを押し殺す。
でもまぁどうせこれが最後なんだから綺麗な寝顔を見納めておこうと、視線をほんの少しだけ、隣で眠っている山下くんに向けた……。
ううっ、綺麗。どうしよカッコいい。
寝顔がカッコいいって何事。
……好き。好きでした山下くん。
───さよなら…っ!!
心の中で叫んで想いを自己完結させたあと、くじ引き待ちの列に並んだ。
「はい、次遠山さん〜」
差し出された箱にドキドキしながら、目をつぶって中に手を突っ込む。
えいっ!と1つを選んで取り出すと、中には「5」の数字。
黒板の数字が書かれた座席表を見てみれば、なんと位置は1番前…!
うわぁ、なんか幸先悪そう……。