山下くんがテキトーすぎて。
ううっ。やっぱり怒ってたんだ。
うん……理由も分からず無視されたらそりゃ怒るか。
でも藤本くんも私が原因ってわかってるならそんなこと頼まないでほしいんだけど……。
「俺が起こしてもいーんだけど、遠山さんの声の方があいつ目覚めると思うから」
「………」
どこまでも根拠のない説得に内心首を傾げながらも、仕方なく山下くんに近づいた。
周りの人たちは友達同士で夢中になってはしゃいでるから、私は目立ってないはず。
「山下くん……山下くん、てば」
声をかけても反応がない。
前も思ったけど……ていうかずっとおもってるんだけど、
なんで学校でそんな深い睡眠とれるの?!
お願いだから起きてぇぇぇ……
私、地味に恥ずかしいんですよ!!
「山下くんのばかぁ!」