山下くんがテキトーすぎて。
──席替えが終了すると、そのまま終礼に入り、放課後となった。
結局、というか当然、山下くんとは席が離れた。
私が左前の席なのに対して、山下くんは同じ列の一番後ろ。
普通に授業を受けていれば、私の視界には入らない位置関係だ。
喜ぶべきなのに胸がちょっとモヤモヤするのには気づかないふりをした。
かんなとは隣だし、それに……
「遠山さんと近くでよかった。よろしくね」
かんなの後ろ、つまり斜め後ろはなんと大倉くん。
「私も大倉くんと近くて嬉しいよ!よろしくね!!」
振り向いて返事をする。
大倉くん話しやすいし、楽しいしほんとに斜めの関係嬉しい。
嬉しいんだけど……今斜め後ろを振り向いた瞬間、私は気づいてしまった。
大倉くんの方を向いて話してしまうと、視界の端に山下くんが映ってしまうことに。