山下くんがテキトーすぎて。
昨日の昼休みの光景がフラッシュバックする。
こちらに歩いてくる足元をぼんやりと眺めると、一気に現実に引き戻されたような感覚に陥った。
「ごめんねっ、お話中にお邪魔だったかな?」
あくまで山下くんだけを見つめて、笹川さんがにっこりと問う。
「……いや、大丈夫」
山下くんが気まずそうに私から目を逸らしたから、ズキッてした。
私がいる方が今お邪魔だよね。
そう思って山下くんから背を向けて帰り支度を始める。
ただ、意識は二人にいってしまってしょうがない。
「それでね、今週の土曜日なんだけど……よかったらうちに来ない?」
───ドキッ。
今週の土曜日は……スイーツバイキングの約束……だけど。
「土曜は親いないし、どうかな?」
"今度、誘ってみよっかな"
ううっ……胸が苦しい。