山下くんがテキトーすぎて。



昨日の昼休みの光景がフラッシュバックする。


こちらに歩いてくる足元をぼんやりと眺めると、一気に現実に引き戻されたような感覚に陥った。




「ごめんねっ、お話中にお邪魔だったかな?」



あくまで山下くんだけを見つめて、笹川さんがにっこりと問う。




「……いや、大丈夫」



山下くんが気まずそうに私から目を逸らしたから、ズキッてした。




私がいる方が今お邪魔だよね。


そう思って山下くんから背を向けて帰り支度を始める。



ただ、意識は二人にいってしまってしょうがない。




「それでね、今週の土曜日なんだけど……よかったらうちに来ない?」



───ドキッ。


今週の土曜日は……スイーツバイキングの約束……だけど。




「土曜は親いないし、どうかな?」



"今度、誘ってみよっかな"


ううっ……胸が苦しい。

< 164 / 299 >

この作品をシェア

pagetop