山下くんがテキトーすぎて。
「えっ。私が……?」
席替えのアレ以来しゃべってないのに。
それに、もう少ししたら笹川さんが迎えに来るんじゃないかな。
「誰か起こしてやらないと山下このまま眠り続けて朝まで学校に閉じ込められちゃうかも……つってね!ブハハいい気味」
それはそれは楽しそうに笑ったのち、藤本くんはスマホの画面を見て「うわっ、時間ヤベー」と呟いて
「じゃ、そーゆーことでよろしくね!」
……華麗に走り去って行った。
いや、ちょっと待って?!
藤本くん行かないで?!
気づけば、教室には誰もいない。
いや、えっと、私と山下くんしかいない。
ううっ、落ち着かない。
……よし、帰ろう。