山下くんがテキトーすぎて。
だから!なんで私こんなヤツにドキドキするの?!
自分がありえなさすぎる!!!
「山下くんなんか嫌い!!!悪趣味!!変態!!!」
「はいはい、うるさいよ愛音ちゃん」
「ほんと意味分かんないぃぃぃ!」
とりあえず叫んでみる。ドンドンいってる胸を誤魔化したくて。
「ははっ。明日、うまくいくといーね、大倉クンとのデート。ま、そのバカさをさらけ出して引かれないように頑張りなよ」
む、むかーー!!!
「山下くんこそうるさいし!!口出し無用だし!山下くんには関係ないもん!!」
「……うん、そーだね」
ははっとまた笑い声が降ってくる。
辺りは完全に暗くなりはじめてる。
山下くんが背を向ける。
そして再び屋上のドアに手をかけた。
「あーあ。笑いすぎて涙でた……」
そんな声が小さく聞こえた。