山下くんがテキトーすぎて。
割と広い面積の公園の一角にあるベンチにふたりして腰を下ろすと、心地良い風が吹き抜けていく。
私の左隣に座る大倉くん。近すぎもせず、遠すぎもせず、程よい距離。
「さっき、泣きそうな顔してたから……。なんかあるなら、話聞くよ?」
なんで、こんなに優しいんだろう。
さっき私が山下くんのことで少し変だったのを、わかってて聞いてくれるんだ。
「俺ね、本当は山下なんかやめて俺と付き合えばいいのにって思ってるよ」
淡々として、少し早口な口調で言葉が放たれる。
「付き合ったら、山下を忘れさせられる自信だってある。けど……」
ぼんやりと宙を見つめたまま、大倉くんは続けた。