山下くんがテキトーすぎて。
嘘つき山下くん
*
週がめぐって、また月曜日がやってきた。
現在、午前7時50分、くらい。
いつもよりだいぶ早い登校時間。
「あーいーねーちゃん」
まだ誰も来ていないだろうと思って入った昇降玄関で、背後から突然声が飛んできた。
ビクッと肩があがる。
驚きのあまり声も出ずとっさに振り返ると、声の主はにっこりと、なんだかご機嫌な笑みを浮かべていた。
「……び、びっくりさせないでよ!てか、後ろいたんなら声かけてよっ!!」
「わざと気配消してたんだよ。期待通りの反応ありがとう」
く、くそー!やっぱり楽しんでる……!
やっぱり腹立たしい。
そして朝から会えてちょっと嬉しいとか思ってる自分……腹立たしい。