山下くんがテキトーすぎて。



「どうしたのこんなに早く。遠山にしては珍しーね」



「う、うん。ちょっと早く目が覚めて……」



「へぇー。偶然だね、俺も」



そうやってにこやかな笑顔のままスニーカーを上履きに履き替える山下くんには違和感しかない。




山下くんが朝からこんなに明るいことってある?
しかも笑顔が、なんか……




「純粋すぎる」


「何?」


「えっ、いや、今日の山下くんの笑顔が、純粋だなぁと、思いまして」




なぜかカタコトになってしまった。


相手が山下くんで、さらに二人きりというシチュエーションに段々と鼓動が速くなる。




そんな私を見て、山下くんがははっと笑い声をあげた。



< 213 / 299 >

この作品をシェア

pagetop