山下くんがテキトーすぎて。



「どーしたの遠山。ぼっとして」


「……ううん。なんでもないデス」


「教室行こーよ」


「は、はい……」


「なんで敬語」


「特に意味はないデス、ないよ」


「……そ」



山下くんも変だけど私も変だ。

動揺しすぎ。私はこの人のことが好きなんだって意識が頭にあるから胸が鳴るし、なんか体が熱くなるし。



まだ誰もいない校舎の階段を登る。




「愛音ちゃん、大倉と付き合いだしたんだ?」




ほら、声。いつもに比べて明るめ。

気のせいじゃないと思うんだけど……って。




「………んえっ!?」



< 216 / 299 >

この作品をシェア

pagetop