山下くんがテキトーすぎて。
「それ、大倉に気づかれなかった?」
「ん……えぇ、どうだろ?たぶん気づかれてないよ?私えり付きのワンピース着てたし」
「ふうん、そっか。残念」
「………?」
残念って何が残念なんだろ?
不思議に思って首を傾けると、また妖しく笑われた。
「俺もその赤いの、見たいな〜」
「へっ!?」
「行こ」
グイっとを引かれる。
教室の前まで来ても、足を止めずにずんずんと進んでいく山下くん。
「ちょっと待って!?行くってどこに!!」