山下くんがテキトーすぎて。




ドン、と壁におしつけられた。


ここは、例の非常階段。


固くて冷たい感触が背中に伝わる。



私の顔の真横には山下くんの長い腕が伸びている。



これは……壁ドン。



だけではなく、



「や、山下くん……?」



彼の長い脚までもが、少し曲げた状態で私の太ももの間に、あって。


あ、足ドン?!いや、股ドン?!


んああ、もう用語がわからないっ!!



私は完全に。
壁と山下くんの間に捉えられてる。



山下くんの指が、私の髪をさらっと持ち上げた。


< 220 / 299 >

この作品をシェア

pagetop